「読まない」人


まずはコンピュータを、そして使う人間をどう思うかが問題でしょう
これが「難しい」とか「自分とは異質の者」とか思っているのであればそれは違います
「車を運転できない人間」が「車を運転できない人間」を異質だとは思わない(思う人が居ないとは言いませんが)ように、異質だと思わない方が、いろいろと話が先に進め易いです
 

パソコン(以降「PC」)を使うのに「取り扱い説明書(以降「取説」)」「オンラインヘルプ(以降「ヘルプ」)」を読まない人は結構居ます
なぜ、読まないのでしょう、私もあまり読まないので、とりあえず、自分の事を例にあげて、箇条書きで羅列してそれに対するコメントでまとめてみようかと思います

  1. 難解な日本語で書かれている
    どうも、「できる〜」とかを買ってしまう人の心理というのがわからないでもない、理由ですが私にとっては結構大きいです
  2. 量が多い
    昔の純文学とは違うのですから、質より量的な物は勘弁してもらいたいです
    いくらヘルプであろうとも必要な機能を探し出すのには苦労があります、真面目な話、これが紙の物だとしたら洒落になりません
  3. 読まなくても動かせるような気がする
    これはもう、お約束ともいえるモノでしょう、エディタであれば基本キー操作は大概同じですが、そうでない物も結構あります
  4. 専門用語が多用されている
    これは、デベロッパー環境(オラクルのデベロッパーではなく「プログラム開発環境」という意味です)に多くあります
    一つ単語が出てくるたびにそれが何を示しているのかを探すのが面倒になり、読まなくなる事もあります
  5. サンプルが実用的ではない
    これは私が特殊な使い方を使用としている時に限った事だとは思いますが、そうでない時にも「これって実用的なの?」と疑問に思うようなサンプルがあったりします

こんな感じでしょうか、PCに関っている人間としてはあまりにも下らない理由ですが、こういう理由で読まない人も居るかもしれません
 

取説やヘルプを書く人がどれくらいのレベルの人(「PCの知識レベル」ではなく「人間としてのレベル」)を対象にしているかはちょっとわかりませんが、企業用のアプリケーションの場合、「手の空いた開発者(ただし、そのアプリケーション開発に関っているという限定ですが)」が書いている事が多くあります
そういう状況だと、作っている人間の「PCの知識レベル」が基準となって取説が書かれてしまう事が多いです
したがって、「なんでそんなに専門用語が多用されてるの?」というぐらい難解な物が出来上がってしまいます
ではどうすれば、「読んでくれそうな物」ができるのでしょうか、それは私もわかりません
まあ、自分だったらどうするか程度だけ書いていきます

  1. 小・中学生でもわかる程度の言葉で書く
    イカレタやつらはこの程度でも読めない(というよりも「読まない」)が、少なくとも「できる〜」程度並みにはなんとかしておくのが礼儀
  2. 使える機能の羅列から、ひけるようにも作成
    「自分が使える」ではなくって、「そのアプリケーションができる事」を羅列する
    それから、ヘルプであればリンクをしていって、メニューなりに戻るようにする
  3. 読まなくてある程度使えるようにする
    非現実的な話でいいのであれば、1Windowで入力できる項目を常に一つにしてそれすらもウィザード形式にしてしまうという方法が考えられます
    まあこんな非現実的な事をするのは無謀としか言えないのでちょっと現実を見ましょう
    全部の項目にツールチップをつけて、さらにそれを無駄とも思えるぐらい細かくするという方法です
    まだこっちは現実味がありますが、まだ足りません
    そこで、少しでも難しい入力は全部ウィザード形式にしてしまいます
    そう、ウザッタクなるぐらい入力などの動作に制限をつけてしまうのです
  4. サンプルは実用的な物をつける
    これはこれで結構面倒です
    逆転的に考えれば、サンプルがついていない方がいい事もあります
    まずはサンプルをつけずに出し、その後ユーザーからどんなサンプルが必要かアンケートをとって、それにそうようなサンプルを配布するという経緯を取ってしまうというのもありかもしれません

ここまでしておけば、「読んでいない人」を嘲笑う(嘲笑ってどうなるもんでもありませんけど)事もできますし、「〜にあります」と言うのも少しは楽になるかもしれません
所詮、どこまでやるかなんていうのは自己満足の粋をどこまで広げるかにかかっていますが、取説にしろヘルプにしろある一定レベルをこえたら自己満足でしかないというのは心にとめておいた方がいいのかもしれません

 

戻る