HTMLオーサリングツールについての考察
始めに
極論してしまえば、メモ帳であろうがSimpleTextであろうがMEDITであろうがViであろうがテキスト編集ができれば何でもいいのですが、WYSIWYG系(What You See Is What You Get)で作った方が楽な部分もあります(というか、テンプレート的に作るのであればこっちの方が断然楽)し、自分の好きなように中身を作り替えるのであればタグ入力支援系を使った方が楽です
どっちがいいのかは、それを使う人にしかわからないのであえて省略しますが、どちらも欠点はありますし利点もあります
WYSIWYG系・タグ入力支援系の利点と欠点
- WYSIWYG系
- 利点
- 入力した形でブラウジングできるのでレイアウトがしやすい
- タグ・要素なんて存在を知らなくても作れる
- ウィザードがついているモノが多く、それにそっていけば短時間で完成する
- 欠点
- ワープロ的なためにメモリーの消費量は多い
- CPU使用率がタグ入力支援系に比べて高い
- とんでもないソースを吐かれる事が多い
- うちのようにJavaScriptでCSSを切り替えるようなまねはし辛い
- タグ入力支援系
- 利点
- WYSIWYG系で登録できないタグ・要素を登録できる
- 基本的にメモリー消費量は少ない(テキストエディタだから)
- 基本的にCPU使用率が少ない
- うちのようにJavaScriptでCSSを切り替えるようなまねはし易い
- 欠点
- HTML・CSSがある程度わかっていないと使いにくい
- ブラウジングしないとレイアウトがわからない
- ソースは打ち込んでいる人間に左右されるため、汚いソースができるかそうでないソースができるかは使う人間によって変わる
例
WYSIWYG系とタグ入力支援系を例を挙げてそれらの特徴を書いていきます
タグ入力支援系が少ないのは……いや書かないでおきましょう(苦笑)
- WYSIWYG系
- FrontPage 2000
- CSSおよびJavaScriptの両方を編集できる
- 「Internet Explorer」「Netscape Communicator」共通のモノが出力できる
- テーマを利用してページの表示形態をカスタマイズできる
- 各ページをツリーリンクとして、作る事ができる
- フレーム(インフレーム含む)構造を作れる
- 「FrontPage Server Extensions」に対応している
- 「Font Face」に「フォント名」を指定できるが、「serif」「sans-serif」「monospace」等の指定はできない
- 結構汚いソースを吐く(特にテーブル・フォント)
- リターンキーが「<BR>」ではなく「<P>」です
- 文書型宣言が「<!doctype html public "-//w3c//dtd html 4.0 transitional//en">」になっているので注意
- 同一ウィンドウでのソース編集ができる
- ブラウザのウィンドウサイズが指定できる
- Netscape Composer
- 「<IMG>」の位置指定が見た目の位置にされない
- 上記の影響下での「<BR>」の設定ができない
- 「<IMG>」「<BODY>」に「NOSAVE」が入っていないと保存時に画像ファイルの保存位置が移動される
- 文書型宣言が「<!doctype html public "-//w3c//dtd html 4.0 transitional//en">」になっているので注意
- ソース編集のエディタは外部アプリケーションなので使用者が好きにできる
- Mozilla Composer(Netscape 6以降のComposerも含む)
- 同一ウィンドウでのソース編集ができる
- デフォルトの文字コード(charset)がUnicodeなので気をつけないとソースが他のオーサリングツール(とくにテキストエディタ)で開けなくなるので注意が必要
- 一太郎10(HTML編集ができるので一応入れておきます)
- フレーム(インフレームは含まず)編集が可能
- ソースは洒落にならないほど汚い(ワープロなので仕方がない)
- ドキュメントタイプの指定がない
- MS-Office2000(FrontPage 2000以外)
- Microsoftが言うほど真面なソースが吐かれる事はありません、したがってオープンではあまり使わない事をお薦めします
- タグ入力支援系
- STYLE NOTE
- 「Visual Basic(5以降)」や「Delphi(4以降?)」の様に入力補完ができる
- 文字コード(charset)が「Shift-JIS」以外にも設定できるが実際には「Shift-JIS(US-ASCIも含む)」以外では読み込み保存ができないため、意味がない(ver.4.07.1)
- 面白い効果(「マウスが画像に乗った時・マウスが画像から離れた時」に画像を切り替える等)をウィザード形式で入力できる
- フリーソフトウェアである
- 見た目は結構いい感じ
- ez-HTML
- 「Visual Basic(5以降)」や「Delphi(4以降?)」の様に入力補完ができる
- フリーソフトウェアである
- 見た目は結構いい感じ
- WZ EDITOR 4.0(プラグインが入っていなければ意味がないが……)
- CSSの入力支援ダイアログが使える
- タグ設定の支援ができる
- 編集中に文字コードの変更ができる(同時にcharsetの変更も可能)
後書き
- オンラインソフトであるのなら取り敢えずいろいろ使ってみる(ただし、短期間でやめる、クセになれるまでは使わない)
- 市販品であれば、体験版を使ってみる(これも、短期間でやめる、理由は上と同じ)
- WYSIWYG系が主でも、タグ入力支援系(またはテキストエディタ)は一つは持っておく(細かい修正に一々WYSIWYG系を立ち上げると苛つくので)
- アップロード機能はついていてもついていなくてもかまわない(専用のソフトの方がいい時もある)
- ドキュメントタイプは正しいモノがつくのが理想(ついてなくても大丈夫な場合も多いが、ないとだめな場合もあるし)
- 機能が膨大についているモノは避ける(理解するのに時間がかかるため)
- 直感的に使えるものを選ぶ(WYSIWYG系に限った事ではない)